RSSを取得

スポニチColumn

2009年11月09日 水沼貴史[サッカー技論」
香川、乾のコンビが面白い


 セレッソ大阪が4季ぶりにJ1復帰を決めた。個人的には香川と乾のコンビがJ1でどんな活躍をするかを楽しみにしている。

 以前はコンビで知られる選手が多くいた。最近の日本では中盤で2人の選手がコンビで活躍するケースは少ない。しかしこの2人が近くでプレーした時の面白さはけた外れだ。2人ともテクニックがあり、アイデアが豊富で、型にはまらないプレーができるため、何をするか分からない面白さがある。サイド攻撃だけでなく中から崩そうとする。ドリブラーのイメージだが、背後にスペースがあれば走り込んで積極的に前へ飛び出し、ゴールに絡む。香川が27点、乾が20点と、2人とも20点以上決めている。こんな中盤のコンビはそうはいない。

 乾は横浜で教えた選手の1人。サッカーが大好きで、全体練習が終わっても1人で練習していた。元々ドリブルが得意だったが、最近は長いドリブルが減った。その代わりにパスや飛び出すプレーが増えた。昇格を決めた11月8日の草津戦後「ドリブルが減ったね」と聞いたら「ちょっと迷っている」と言っていた。自分で気付いたのか首脳陣から言われたのか分からないが、プレースタイルを変えてドリブル以外の武器を身につけようとしているのだろう。もう一回り成長する時期だけに、いろいろなことにトライしてみることが重要だ。

 昔の読売や日産にはこういう選手が多かった。私もそうだが、なにかやってやろうと意識しながらプレーしていた。通り一遍のプレーではお客さんも喜ばないし、サッカーの魅力がなくなる。中村俊輔は魅せるプレーはするけど自分では点を取ろうとしない。その点、香川と乾は自分で点を取りにいく。ペナルティーエリアに入ってもスピードが落ちず、ゴール前でも速い。どちらかが欠けても魅力は半減する。2人は同い年だし、ライバルでもある。ぜひ、来季もセレッソでコンビを組み続けてもらいたい。

▼筆者プロフィール 水沼 貴史(みずぬま・たかし)1960年(昭35)5月28日、埼玉県出身。浦和南―法大を経て日産自動車(現横浜M)でMFとして活躍。日本代表の国際Aマッチ32試合で7得点。06年にコーチとして横浜Mに復帰、岡田監督(現日本代表監督)辞任後は監督も務めた。1メートル73、63キロ。