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スポニチColumn
2009年10月12日 水沼貴史[サッカー技論」バックアッパーへの注文と期待
10月10日に日産スタジアムで行われたキリンチャレンジで日本代表はスコットランドに2-0で快勝した。8日のアジア杯予選・香港戦に出場したメンバーは使わなかったため、いつもとはガラリと違う構成になった。日本代表のバックアップといってもいい。選手が変わってもチームのやることがはっきりしていればサッカーは変わらないはずだが、ボールの回し方や距離がいまひとつで、意志の疎通がなかった。特に前半は「どうしたの」という感じ。橋本に多くのミスがあったのが象徴的で、いつもの日本代表の試合なら味方がボールを受けに来てくれるタイミングでサポートに来ない。後半、松井が入って少しよくなったが、全体的にやろうとしているサッカーが浸透していないということだ。
前田にもボールが入らなかった。トップ下の石川はベンチの指示により15分で本田とポジションを替わり、サイドに回った。石川は外に流れるので攻撃時にクッションがなくなり、前田が孤立する。石川はやはりサイドのポジションに入ってラストパスを狙うほうがいい。前田と石川の関係もスムーズではなく、石川がトップ下から前に飛び出すと中盤が空くため、ボランチが一枚絡む。すると中盤でスペースを与えてしまい、フリーの選手がいて起点をつくられるシーンが何回かあった。岡田監督もそこを途中で修正していたが、GK川島が1対1になったのもそうだし、何回かカウンターを懸けられた。たまたま0点に抑えたが一番気になったのはその点だ。バックアップメンバー中心でも同じようにできないといけない。
もちろん個の部分で収穫もあった。森本はストライカーらしくほとんどペナルティーエリアの幅でプレーしていた。狭いところでゴールに向かう、受けるプレーをひんぱんにしていたし、クロスが入る時も相手の前や裏に入ろうとして非凡なものが見えた。守備的なサッカーをするイタリアで活躍しているだけのことはある。反転シュートも、コントロールが少しぶれたのかもしれないが、逆向きのままで止めてそのままの流れで持ち直さないで受けた。中村俊や遠藤がバイタルエリアでボールを受けた時の状況を考えると森本の瞬間的な動きだしは彼らと合う。香港戦で長谷部から岡崎に出たパスのような感じだ。森本のデビューは攻撃陣全体のいい刺激になると思う。
本田はちょっとタイミングが遅れる場面が気になった。前を向けるのにやり直したりした場面だ。だが、全体的にはシンプルにやろうとは心がけていたし、チームの流れ消さないように自分を押し殺していた。ゴールを狙う貪欲さもあり、実際に点を取ったのよかった。
徳永も元々能力が高く、右も左もできる。身体能力も高く、香港戦でクロスから岡崎のゴールをアシストしている。バックアップとしては及第点で、サイドバックの層が厚くなったのも収穫だろう。
▼筆者プロフィール 水沼 貴史(みずぬま・たかし)1960年(昭35)5月28日、埼玉県出身。浦和南―法大を経て日産自動車(現横浜M)でMFとして活躍。日本代表の国際Aマッチ32試合で7得点。06年にコーチとして横浜Mに復帰、岡田監督(現日本代表監督)辞任後は監督も務めた。1メートル73、63キロ。
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